システムを作った。でも、使われなかった。
自社DX化での失敗
自社のDX化で最初に取り組んだのは、作業時間の入力をWEBシステムに移行することでした。入力項目を整理して、操作もシンプルにして、「これでみんなが楽になる」と思って作ったシステムが、現場にうまく定着しなかった。
これは弊社だけの話ではなく、DXに取り組む製造業の現場で繰り返し起きているパターンです。
なぜ定着しなかったのか
現場の担当者に話を聞くと、「PCを開いてブラウザを立ち上げて画面を探す」という動作が、仕事のリズムの中に入ってこない。紙なら手元にある、書くだけでいい——その差が、思った以上にハードルになっていました。
話をするうちに「ここはこうなったら助かる」という声が自然と出てきた。話す場ができて初めて、現場の意見が言葉になっていきました。作る前にこれを聞いていれば、全く違うものになっていたはずです。
管理側にはメリットがある。でも入力する担当者にとって、それは自分のメリットではない。
「誰かのために、自分の手間が増える」——そう感じられてしまったのが原因です。
「誰かのために、自分の手間が増える」——そう感じられてしまったのが原因です。
現場と話すと、見えてくるものがある
定着しているDX推進に共通しているのは、現場へ足を運んで話を聞き続けているという点です。「ここが不便」「こうなったら使いやすい」という声を拾いながら少しずつ改善していくと、現場の担当者も「自分たちの意見が反映された」という実感を持ち始めます。
最初の変化は小さくていい。金型の図面や製造履歴がすぐ引き出せるようになる、それだけで「確かに便利だ」という実感が生まれます。
「便利だ」と思った人は、自分から使うようになります。